小中研究室

Jリーグ・Bリーグ予測結果まとめ(-2019)


日本国内のプロリーグのうち,Jリーグ(サッカー)およびBリーグ(バスケットボール)の定量的予測を行ってきました.プロリーグでは同じ対戦が繰り返し行われることが多く,この点が多くの国際大会とは異なります(国際大会は1回戦総当り,トーナメント形式,およびそれらの併用で行われることが多いです).
2019年シーズン(Bリーグは2018/19シーズン)まで数年間の予測結果をまとめました.
新たに実力評価や予測の数理モデルの構築を試みる場合,本稿で示したような「得失点のみを用いた,単純かつ競技を問わない手法」からどれだけ改善できるかが重要です.

Jリーグ (2015-2019)

Jリーグ(J1, J2, およびJ3)の2015年から2019年,5シーズンの予測を行いました. 予測方法の詳細は以下の記事をご覧ください. 各年開幕直後の試合結果は(おおむね6試合程度) 予測モデル構築にのみ利用しました.ある試合について,開幕からその試合の前日までに行われた試合をモデル構築に利用し,対戦チーム間の実力差を推定します. Jリーグは中断期間や監督交代によるチーム変化が大きいため,6ヶ月前の重要度が半分と なるように経過時間に対する指数的な重みを利用しました. また,ホームアドバンテージも考慮しています.
結果を下図に示します(試合数,割合の順).引き分けは25%前後,提案手法での予測正解率は46%程度(引き分けを0.5勝0.5敗と解釈すれば,59%程度)でした.

Bリーグ (2016/17-2018/19)

Bリーグは2016年9月に開幕した日本男子バスケットボー ルのプロリーグであす.開幕シーズン以降3シーズンの試合結 果を予測しました. 予測方法の詳細は以下の記事をご覧ください. 予測対象はB1およびB2 両リーグで,開幕後5節(お おむね各チーム10試合) 終了後を予測対象としました.予測は節単位で行い, ホームアドバンテージは考慮していますがが,期間に対する重みはつけていません. 引き分けがなく勝敗のみであるので勝率を出力するモデルを利用し,予測性能として予測 正解率および較正値を算出しました.これらを下図に示します. いずれの年・リーグでも予測正解率は70%前後でした.較正値は(実力上位チームの予測勝率の和)/(実力上位チームの実際の勝利数)で定義される値であり,
  • 1.0以上:実力上位チームを過大評価(予測勝率が大きすぎる)
  • 1.0未満:実力上位チームを過小評価(予測勝率が小さすぎる)
と解釈できます.較正値は各年での最小値最大値がそれぞれ0.982, 1.049であり,通算では1.015でした.上位チームの予測勝率を若干(0.015程度)過大評価していますが,おおむね「予測されたとおりの結果が繰り返されている」ことが分かります.
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