基本操作

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ここでは,spwaveの基本的な操作について説明します. Mac OSではControl+クリックとOption+クリックがそれぞれマウスの右ボタンと中ボタンを意味します.

起動

WindowsやMac OSでは,アイコンをダブルクリックすることにより起動します. コマンドラインからの起動は以下の形式で行います.

spwave [options...] [filename...]

コマンドラインオプションも多数用意されてますので,詳しくは, コマンドラインオプション の項を参照して下さい.

UNIXでは,-help オプションを付けて起動すると, コマンドラインオプションのリストが表示されます. Windowsでは,DOS窓から -help を付けて起動してもリストはでませんが, プログラムには反映されます. なお,Mac OSではコマンドラインでの操作は一切サポートされていません.

画面について

spwaveのウィンドウは次のような部分から構成されています.

ファイルの読み込み

ファイルの読み込みはコマンドラインもしくはファイル読み込み用の ダイアログによって可能です.コマンドラインで指定する場合は, 引数にファイル名を指定すると読み込むことができます.ただし, 自動判別できなかったファイルに関しては, フォーマットを選択するダイアログが開くので,そこから適切なフォーマットを選択して下さい. ダイアログにより読み込む場合は, ファイルメニューの開く... をクリックします.詳しくはそちらの説明を参照して下さい.

また,バージョン0.5.2からは,ドラッグ&ドロップによってもファイルを開くことができます. Mac OSでは,spwaveのアイコン上にファイルをドロップすることにより, その他の環境では,ウィンドウ上にファイルをドロップすることにより, 新しいウィンドウが開きます.ただし,Motif版ではドラッグ&ドロップはサポートされていません.

ファイルの保存

ファイルの保存は,ファイルメニューの 保存によって行います. この場合は,元のファイルと同じフォーマットで,上書き保存が行われます. 違う名前で保存したい場合は,ファイルメニューの 名前を付けて保存... をクリックして下さい. 名前を付けて保存する場合,「ファイルの種類」で「By Extension」 が選択されていると,拡張子からファイル形式を判別します. 例えば,WAVEファイルで保存したい場合は".wav"という拡張子を, AIFFファイルで保存したい場合は".aif"という拡張子を付けます. ただし,「ファイルの種類」メニューの中に表示されるものが 対応しているフォーマットの全てですので,この中にないフォーマットでは保存できません. 例えば,MP3ファイルで保存しようとして".mp3"を付けた場合でも, 「MPEG 1.0 Layer III」などの表示がメニューの中にない場合はMP3では保存できないことになります. 詳しくは,名前を付けて保存...の説明を参照して下さい.

フォーマット

現在の所,以下のフォーマットをコマンドラインやフォーマット選択ダイアログなどで指定することができます. それ以外のファイルは,サポートされていれば自動で読み込まれます. これらは-format オプション によりコマンドラインで変更することができます. コマンドラインで指定するときは,括弧内の名前を使うこともできます.

Raw (raw)
バイナリデータで,バイトオーダーはそのマシンのネイティブフォーマットになります. これで読み込んでみて波形が変なときはSwap Rawを試してみて下さい.

Swap Raw (swap)
バイナリデータで,バイトオーダーはそのマシンのネイティブフォーマットの逆順になります.

Little Endian (little)
バイトオーダーがリトルエンディアンのバイナリデータです. Linux(i386)や,DEC Alpha,Windowsなどのネイティブフォーマットは, こちらのバイトオーダーになります.

Bit Endian (big)
バイトオーダーがビッグエンディアンのバイナリデータです.Sun SPARCやMacintoshなどのネイティブフォーマットは,こちらのバイトオーダーになります.

U-law (ulaw)
u-lawのバイナリデータです.ビット/サンプルは8ビットになります.

A-law (alaw)
a-lawのバイナリデータです.ビット/サンプルは8ビットになります.

Text (text)
テキストファイルです.データ形式は,一行に値が一つ書いてあるもの とします.また,'#' 以降はコメントと見なされ,無視されます.

ここで示したファイル以外で サポートしているフォーマットの場合(WAVファイルなど)には自動で読み込まれます. また,上記のファイルに対しては,以下の値を適切に設定して下さい.

範囲の指定

ファイルの一部分を再生するときや, 編集を適用する範囲を決めるためには,範囲を指定する必要があります. 範囲の指定は,マウスの左ボタンをドラッグすることにより 行うことができます.指定された範囲は,画面の色が反転されます. マウスをクリックして動かさずに離すと範囲はクリアされます.

バージョン0.5からは,すでに指定されている範囲の端でマウスをドラッグすると, その範囲の大きさを変更することができます. また,0.6からは,マルチチャネルデータの場合には, それぞれのチャネルの波形の上でドラッグすると,そのチャネルのみが選択されます. 全てのチャネルを選択したい場合は,ドラッグしたマウスを別のチャネルの波形の上で離すか, チャネルの間の線の上でドラッグを行って下さい. 現在のバージョンでは,単一のチャネルもしくは全てのチャネルのどちらかが選択できます. いくつかのチャネルだけを選ぶといったことはできません.

また,現在の選択範囲を記憶しておいて,後でまた使いたいということがあると思いますが, バージョン 0.5.1から導入された範囲ラベルの機能を使えばこれが可能です. 具体的には,まず範囲を指定しておき,ポップアップメニューから 範囲ラベルをセットを選択します. すると,現在の選択範囲を範囲ラベルにすることができます. 後でこれを選択範囲にしたい場合は,範囲ラベルの開始点付近で右クリックし, 範囲ラベルを現在の範囲に を選択します.これにより,範囲ラベルの範囲を選択範囲にすることができます. 範囲ラベルはいくつでも作ることができるので, いくつでも範囲を記憶しておけることになります.

ファイルの再生

指定範囲の再生は,マウスの中ボタンを押すことでできます. 範囲が指定されていない場合は,ファイル全体が再生されます. 3つボタンマウスでない場合は,マウスの右ボタンをクリックすると, ポップアップメニューが開きますので, そこから指定範囲を再生 を選択して下さい. なお,Mac OSでは,Control+クリックとOption+クリックがそれぞれ右ボタンと中ボタンを意味します.

バージョン0.5以降では,ツールバーの停止ボタンもしくは, 右ボタンをクリックして表示されるポップアップメニューから処理を停止を選択することで, 再生を停止することができます. また,バージョン0.5.2からは,再び中ボタンを押しても,再生を停止することができます. ただし,再生が指定範囲の終わり付近まで到達している場合にはうまく停止できないことがあります.

バージョン0.6.5以降では,ループ再生がサポートされました(一部の環境ではサポートされていません). ループ再生を有効にを選択しておくことで, 選択範囲を再生する際に,ループ再生が行われます. なお,ループ再生中も選択範囲の変更ができ, 選択範囲が変更されるとその新しい範囲がループの範囲となります. 再生を停止するには,ポップアップメニューから処理を停止を選択して下さい.

ファイルの編集

通常の編集処理(ファイル全体に処理を加えるもの以外)は,まず範囲を指定しておき, 次に,編集メニューから所望の処理を選択します. 編集を行うと,ウィンドウタイトルのファイル名の後に`*'が付けられます. 取り消しや, 保存などの処理により,編集をしていない状態に到達すると`*'は消えます.

バージョン0.5.2からは,ファイルの再生と同様に,停止ボタンにより処理を中止できます. また,バージョン0.5以降では,選択された範囲の中でマウスをクリックし, それをそのままウィンドウの外までドラッグすると, 選択範囲が新しいウィンドウで表示されます.これは取り出しと同じ処理になります.

貼り付けなどの一部の処理は,現在のカーソルの位置に対して行われます. こういった処理を行う場合は,処理を行いたい場所で右クリックして ポップアップメニューを表示させ,所望の処理を選択します.

表示領域の移動・表示

表示されている領域を移動するには,画面の下についている スクロールバーを操作します. ただし,これ以上移動できない場合は,操作できません. また,ショートカットキーで移動することも可能で, そのキーバインドは,Emacsと似ているので, Emacsユーザーは,新たなショートカットを覚える手間が省けるでしょう. なお,バージョン0.5以降では,Windowsにおいて, CtrlキーとAltキーの機能がUNIXにおけるものと逆になっているため(この設定は変更できます), EmacsにおけるCtrlキーがAltキーになっていると考えて下さい.

表示領域の拡大・縮小は,ツールバーや,表示メニュー拡大縮小 で行うことができます.

オーバービュー

バージョン0.6.8からは,画面の上の方に,波形全体を表示する領域(オーバービュー) が表示されるようになりました. これは,波形全体を表示しており,表示領域や選択範囲がどこかということが一目で分かるようになっています.

選択範囲は,波形表示領域と同じように反転して表示され, 現在の表示領域は,四角い線によって表されています. この四角は,スクロールバーのつまみとほぼ同じ機能を持ちます. 例えば,四角の中でマウスをドラッグすると,表示領域を左右に動かすことができます. 四角の外でマウスをクリックした場合は, 表示領域が進んだり(四角より右でクリック)戻ったり(四角より左でクリック)します. また,四角の左右の端でマウスをドラッグすると,表示領域の拡大・縮小が可能です.

マウスの右クリックと中クリックは,その位置から最後までを再生します. 再生中にマウスをドラッグすると,その位置から再生が再開されます. これにより,疑似的に早送りや巻戻しなどをすることができ, 容易に所望の箇所を探すことができます.

ラベル

spwaveでは,2種類のラベルを扱うことができます. 一つは通常のラベルで,時間情報以外に二つの情報を持つことができます. その情報の一つは画面に表示されるデータ,もう一つは表示されないデータです. spwaveでは,これらをそれぞれ`文字'と`データ'と呼んでいます.

もう一つのラベルは範囲ラベルです.このラベルは開始時間だけでなく終了時間も含みます. 持つことができる情報は通常のラベルと同じです.

ラベルの読み込みや保存は,ラベルメニューから, ラベルの挿入や削除は,ポップアップメニューのラベルメニューから行うことができます.

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Last modified: "2004-07-19 12:16:11 hideki"