小中研究室

男子プロテニス サービス位置・ランキングポイントと成功確率

プロテニス(ATP)でのサービス位置・ランキングポイント比と成功確率の関係を図示する

使い方

  • 最初のスライダでサーバーとレシーバーのランキングポイント比を設定します.
  • サービスの着地点とそのサービスの得点確率が図示されます.
    • 「その場所に着地したサービスからの一連のプレイで最終的にどちらが得点を得たか」であり,「サービスエースかどうか」ではありません.
    図はサイド(Deuce/Ad),および1st/2ndそれぞれのサービスに対応します.サービスは下から上の向きに飛び,図の上端はサービスエリアのサーバーに近い端に対応します.

ランキングポイント比(サーバ/レシーバ)の設定

Ranking point ratio (Server/Reciever)

1stサーブの位置と得点確率

1stサーブのサーバとレシーバの得点確率差

2ndサーブの位置と得点確率

2ndサーブのサーバとレシーバの得点確率差

説明

テニスはサービスからゲームが進行します.プロテニスではサーバーの有利が明らかであり(サーバーの得点割合0.66.2019年ATPツアーのデータより著者ら集計),1stサービスを良い位置に打つことで試合を有利に進められます.
男子プロテニス(ATP)の一部大会ではサービスの着地位置と得点の関係が公開されています(たとえば,この試合など).このようなデータを2019年の1年分(30大会897試合.2019年ATP公式大会は62大会)取得しました.総サービス本数は約11万5千本です.さらに,サーバとレシーバの実力差はランキングポイント比の対数で表されるとの仮定の下,以下の3つの要素からそのサービスがサーバの得点となる確率を求める数理モデルを構築しました.
  • サービスの着地位置
  • サーバとレシーバのランキングポイント比

このようなモデルを,以下の2要素4つの組み合わせに対してそれぞれ構築しています.
  • Deuceサイド/Adサイド (レシーバーのサービスコートのうち,サーバーから見てそれぞれ左/右のサイド)
  • 1st/2ndサービス
Deuceサイド/Adサイドは,選手の利き腕の偏り(右利き・左利きそれぞれおよそ8:1の比率)に依存してサービスの分布がやや異なる(下図)ことから異なるモデルを構築しました.

図:各サイドのサービス着地数の分布.赤:多い,紺:少ない.


1st/2ndサービスについては速度差および得点確率差が顕著であることから,こちらも異なるモデルを構築しています.
本ページ上部では,最上部のスライダでサーバとレシーバのランキングポイント比を設定すると,それぞれのサイドや1st/2ndサービスでサービス着地位置ごとの得点確率を図示します. また,実力差がどのような状況で顕著に表れるのか?を調べるため,サーバーとレシーバーの得点確率の差も図示しています.これを利用すると,「サービスが少し甘いコースに着地しても得点につなげられることが,ランキング上位者の特徴である」のような分析が可能になります.
課題
  • 大会ごとにサーフェスが異なるので,サーフェスごとのモデル構築も可能だと思われます.単純に手間と時間の問題っぽいですが,データ数(サービス本数)が減ってしまうのが問題になるかもしれません.
  • 当初予定ではサービスの速度も予測モデルに入れるつもりでしたが,サービス着地点と速度が同時に記録されている公開データが見つけられなかった(どちらか一方のみはある)ので,どなたかが公開してくれるのを待っています.

ライセンス

文責:小中英嗣(konakalab).2022年2月28日.データ取得やモデル構築は本研究室卒業生の清水郁也君の業績です.
本ページに記載されている数値および解説を利用される場合は,以下のライセンスについてご理解いただき,適切な引用を明記してください.
引用例:清水,小中.「男子プロテニスにおけるサービス着地位置・ランキングポイントと得点確率」名城大学小中研究室Webサイト.https://www-ie.meijo-u.ac.jp/~konaka/tennisServiceProb.html

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「男子プロテニスにおけるサービス着地位置・ランキングポイントと得点確率」(製作者:清水,小中)は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
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