小中研究室

Bリーグにおける勝利確率(得失点差と残り時間)

インタラクティブ版 Bリーグにおける勝利確率(Win probability calculator for B.League)


(グラフの描画に数秒かかります.少し待ってグラフが白いままの時はページを再読み込みしてください.)


説明

スポーツにおけるWin Probability (またはWin Expectancy)は「その状況から勝利する(した)確率」と定義されます.野球で利用され始めた概念です(参考:Win Expectancy (WE), from MLB.com).野球はスコアブックで「x回表yアウト,ランナーz塁,得点差s点」のように状況が記録され,その状況と最終的な勝敗を対応させることが容易です.試合数が十分に集まれば,「x回表yアウトランナーz塁.得点差s点から実際に勝利した割合はp」のように過去の勝率が計算でき,それを未来の試合の予測に利用しようというアイデアです.
バスケットボールにおいても,得点の時系列が十分な試合数取得できれば,「第xクオーター残りy秒,得点差s点から実際に勝利した割合p」を算出することができます.NBAに対してWin Probabilityの計算機を公開しているサイトもあります(参考:NBA Win Probability. from www.inpredictable.com).また,勝率の変化に対する各選手の寄与の定量化を試みる研究も報告されています("Estimating an NBA player’s impact on his team’s chances of winning").
このページではB1リーグ2016/17から2018/19のシーズンの試合結果を利用して計算した1秒ごとのWin Probabilityを示しています.

技術的な補足

利用したデータは約1600試合です.この試合数では(得点差)x(残り時間)のマス目をすべて埋めることはできません.実際に得点差と秒単位の時間について,そこを通った試合の勝敗の割合を図示したものが下図です(描画の都合で上の表示とは軸が異なります).勝率の高低が時間や得点差の小さな変化に対して入り混じっていることがわかります.

これに対し,各時刻の点差について,「点差が0であれば予測料率は0.5である」「点差が大きくなるにつて,勝率は滑らかに1に近づく」という仮定を置きます.これは各時刻ごとにロジスティック回帰を行うことで実現します.
50秒ごとに集計と回帰の結果を示します(アニメーションgifです).
上図はその状況からの実際の勝率(青棒)をロジスティック回帰でフィットしたもの(赤線)です.下図はその状況から最終的に勝った試合数(青棒)と負けた試合数(赤棒)です.同じ点差でも残り時間で予測される勝率が異なり,それが滑らかに近似できていることがわかります.
この赤線を図示したものが下図,および上で示したインタラクティブなグラフです.
既知の問題点・課題
得失点差方向については滑らかさの仮定を反映できていますが,時間方向についても滑らかさがあると考えるのが自然です(同じ得失点差であれば,時間が短いほうが予測勝率は1か0に近づくと考えるのが自然).しかし,この曲線についてはロジスティック回帰のような簡潔な形をしているようには見えないため,どのように滑らかに当てはめるのかは検討中です.引用した論文("Estimating an NBA player’s impact on his team’s chances of winning")でもWin Probabilityの平滑化については議論されていますが,こちらは回帰曲線の当てはめではなく,画像処理における平滑化のようなad hocな方法を利用しています.

ライセンス

文責:小中英嗣(konakalab).2021年6月29日.
本ページに記載されている数値および解説を利用される場合は,以下のライセンスについてご理解いただき,適切な引用を明記してください.
引用例:小中.「Bリーグにおける勝利確率(得失点差と残り時間)」名城大学小中研究室Webサイト.https://www-ie.meijo-u.ac.jp/~konaka/winProbability_BLeague.html

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「Bリーグにおける勝利確率」(製作者:小中英嗣)は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
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